今夜のカンブリア宮殿はタクシー王子

黒タクと高い接客サービスでブランド感を演出する日本交通。規制緩和で安売り合戦が続くタクシー業界の中、安易な安売り合戦には参加せず、独自路線を貫く。これが成功して他社よりも1割ほど高い売上を維持しているそうだ。

やっぱり今の時代を生き抜くのはこの戦略なんだねぇ。必要最低限の機能を最低価格で提供するという薄利多売の対極にある、豊かさの演出で生み出す顧客満足。これを生み出すためには設備よりも人的要因に依るところが大きいから、実現するのは簡単ではない。教育も必要だし、モチベーションを上げるための仕組みも必要。

その点、黒タクの仕組みはよくできてる。高級感を感じさせるその概観は、富裕層の上客がつきやすい。普通のタクシーに比べると1日5000円も売上が違うのだそうだ。だから乗務員は皆、黒タクに乗りたがる。しかし誰でもいいわけはなく、いくつかの条件をパスしなければならないため、必死で教育訓練を受ける。その結果、質の高いサービスを提供できる人材が輩出され、黒タクブランドを維持成長させていく循環となる。

お客さんにとって魅力的なブランドであることは最優先事項であるが、従業員にとってもそこを目指すだけの魅力やインセンティブを感じられなければ、ブランドは作り上げられないということだろう。まぁ、そんなの当たり前か。