選択

同級生が会社を辞めたそうだ。長年勤めたサービス業から転身して、IT会社の営業マンとして入社したのは、まだ創業2年目の小さな会社。ITベンチャーの将来に期待をかけ、希望を胸に働いてみたようだが、30も半ばで技術業界に転身しようというのは、そう簡単ではなかったようだ。何をどうしていいかわからないまま日々を過ごす中で、本当に自分のやりたいことを改めて自分自身に問うてみたところ、この道ではないと気付き、退職を決めたと話していた。私から見ても、その選択は正解だったように思う。

人にはそれぞれ向き不向きがある。自分の力を十分に発揮できる職でなければ、雇うほうも雇われるほうもお互い不幸だ。仕事も会社も、そこに身を置いてみないとわからないことがある。自分の居場所はここではないと気付いたのなら、早く落ち着ける場所を探したほうがいい。30半ばにして新たなスタートを切るのは苦労が多いと思うが、自分の力を活かせる職場にめぐり合えることを祈りたい。私自身も過去に一度、自分の居場所が見つからず、さまよっていた時期を経験しているので、不安な気持ちは痛いほどよくわかる。しかし、うまくいかない時期にもいつか終わりがくる。苦しんだ分に見合うだけのいいことが必ずやってくると信じて、上を向いて頑張ってもらいたい。