交換

商売の基本は価値と価値の交換。商品なりサービスなり、そこにお金を払う価値があるから取引が成立する。その交換価値に満足していればつきあいは続くし、そうでなければつきあいは終わる。

会社と社員の関係においても同じ。労働力の対価として給料が支払われている。より高い価値を提供できていれば高い給料だし、給料が安いとぼやいている人はそれだけ価値が提供できていないということだ。不当評価だという人も多いが、そういう人の言い分はたいてい微差の部分でしかない。そんな細かいところまでの完全な評価を期待する方が無茶だ。

評価者はあなたの行動全てを隅から隅まで把握するなんてことは絶対に不可能。そんなことをグチグチ言っていても仕方ないのだから、そうではなく誰の目から見てもあきらかな絶対差をつけられるように努力すべきだ。

もうすぐ新入社員が入社してくる。初めのうちは仕事を覚えてもらうために、会社側から研修や仕事のノウハウなどを提供するのだが、ここで新入社員が勘違いしてはいけないことがある。この会社で何が得られるのか?どれだけの報酬が得られるのか?自分のやりたいことができるかの?労働環境は快適か?そういった得るもののことばかりを考えてしまうことだ。

そういう考えに陥ると、もうその人は長くないだろう。会社の経営は価値交換で成り立っている。お客さんとの価値交換、社員との価値交換。このバランスが保たれているから、経営が成立している。高い価値を提供できない人には、当然高い給料や快適な労働環境を与えることはできない。

あくまでも価値交換取引が前提にあることを忘れてはいけない。まずは、自分がどれだけの価値を提供できる人材に成長するかを考えることだ。新入社員が持っているものは、素材としての価値のみで、商品としての価値は何もない。「与えよ、さらば与えられん。」この意識をもって取り組んでもらいたいと思う。