ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学 /島田伸介

島田伸介はビジネスマンなんだということがよくわかる1冊。

誰かさんみたいになりたいなんて、つまらない夢だなあと思う。そんなことに時間や労力を費やすほど、人生は長くない。他人のようになろうとするのではなく、もっと自分になれと思う。

全く同じ人は存在しないので、個性というやつはみんな持っているはずなんだけど、その個性の価値に差があるわけだ。自分の個性に商品価値を見出せない人は、皆が認める高い価値を持っている人に憧れる。こういう構図があるから、あの人みたいになりたいと思う人が多いのだろう。でも、著者が書いているとおり、コピーはどんなに頑張っても本物以上にはなれないのだから、コピーになることが最終目的ではいけない。ただ、その人のよいところを部分的に模写していくうちに、自分流の味付けが加わって、それが自分の価値になることだってある。だから、一時期はコピーを目指すことも悪くない。自分になるためには、自分戦略が必要。仕事を通して自分にある才能を確かめる。市場を見ながらニーズを探る。競合の少ないところを見つける。自分が先駆けとなってスタイルを作り出してしまえば、自分がルールブックになる。そういうところを目指したい。比較的みんながやりたがらないし、誰にでもできることでもない、そういうところが狙い目かな。

本当に成功している店をよく見てみればわかることだ。成功しているところは、どこもみんな個性的だ。業界の常識を覆すようでなければ、おそらく本物の成功は望めない。

成功しているのは100軒のうち1軒。つまり大多数は失敗だから、業界の常識は失敗の常識だ。という論法。確かに、それは言える。業界の常識は一応理屈が通っていて、手っ取り早く安全に今日のメシの種を稼ぐには、それに従った方が無難。リスクが少ない分、儲けも少ない。まぁ、そういうことだ。業界の連中とは違う結果を作りたいなら、違うことをやらなければいけない。これはわかってるんだけど、なかなか実現できない。トップの頭が固いとか、資源がない、人がいない、できない理由はいくらでも出てくる。ここを乗り越えるのがまず大変。そういう点からすると、小さい会社の方が都合がいい。業界の常識を覆すような…か、う〜ん悩ましい。しかも、違うだけじゃなくて、合理的に正しくなければいけないのも大事なポイント。これができなきゃ、その他大勢のままだな。