会社じゃ言えないSEのホンネ話

会社じゃ言えないSEのホンネ話

会社じゃ言えないSEのホンネ話

悲惨な生活を強いられることが多いSEとPG。著者のきたみさんも相当悲惨なSE生活だったようだが、その体験を描く物書きとして生業にしちゃうんだからすごい。同業者にとって強く共感できる1冊。

私もこの業界に入ってその仕組みを理解していくうちに、いろんな矛盾や理不尽さを感じたけど、この矛盾は、そもそもシステムを作るなんて仕事は人間の能力を超えたところにあるせいじゃないかと思ったりしていた。

システム開発には企画から設計、開発、テスト、営業、運用などなど、とにかくいろんな役割があってそれぞれに違う能力が要求される。どれも難しい仕事で、陳腐化させず、高い能力を発揮できる自分を維持するだけでも大変な努力が必要。

わが身を守るだけでも大変なのに、大規模なシステム開発になると、プロパーから外注まで含めてたくさんの人が関わることになる。これらを束ねて、同じ方向を向かせて、プロジェクトを完遂させるなんてとても人間業じゃないなって、大手メーカーに派遣で入り込んでいたときに感じていたことを思い出した。

その印象が強かったせいか、いまだに仕事を受注するときは、そもそもこの仕事は根本的に無理がないか?ということを反射的に考えるようになっている。プログラマーやSEは、顧客の問題解決をしてあげるという付加価値の高い仕事なのだから、そんな悲惨な状況が日常であっては報われないし、将来の発展もない。うちはそうならないようにしないと。