新入社員がやってくる

もうすぐ4月1日。うちの会社にも新入社員が1名入社してくる。社会人デビューを迎える今、どんなことを考えているのだろうか?大丈夫だろうかという不安、新しい生活が始まるという期待、それとも次の生活の準備などバタバタの中で、ゆっくり考える余裕もないのかもしれない。

果たして、自分はどうだったろう?社会人デビューを迎えたのは、もう十数年前。銀行員の叔父から紹介された営業会社に採用され、100名規模のその会社で4月1日を迎えることとなった。同期入社は確か10名くらい。商業高、短大、4大、専門など出身はさまざま。入社式があったような気がするが、あまり覚えていない。早速、その日から集合研修が始まり、一般常識、社会人のマナー、業界知識などについて3日間ほど勉強し、その後、各部署へ配属されていった。同期のみんなとは、すぐに仲良くなって、この集合研修がすごく楽しく過ごせたことを覚えている。

この時の私は、これから始まる新しい生活にワクワクしていた。正直、仕事がどんなものかよくわかっていなかったので、やりたい仕事がやれるんだということではなくて、自分も社会人として責任のある立場になり、一人前として認められる存在になるスタートラインに立ったということが嬉しかったんだと思う。

面接で、なぜこの仕事がしたいのか?なぜ当社を選んだのですか?などと聞かれるが、そんなこと社会人になったことのない若者にわかる訳がない。自分のやりたいことを見つけられる人なんて、ほんの一握りでしょう。私もそうだった。だから会社にこだわりはなかった。就職したこの会社には申し訳ないのだが、営業職という仕事を通して、いろんな会社を見て、その先に自分のやりたいことが見つかればいいなぁという思いだった。

この会社は自分と社会とをつなぐ入り口。自分がどれだけ社会に通用するのか、新しい社会人生活、新たな出会い、そんなものに期待が大きく膨らんでいたように思う。

これからやってくる新入社員も期待に胸をふくらませて入社してくるだろう。はじめての社会人生活は全てが手探りで、毎日が緊張の連続。新しい環境に馴染むまでには時間もかかる。そのあたりを理解してあげたうえで、少しずつその人の良さを引き出していけたらと思う。